9月6日を持ちまして西岳拡貴 展「SHIFT」が終了致しました。
たくさんの方々に足をお運び頂き、誠にありがとうございました。

今回の展示は2つのプロジェクトをその痕跡とプロジェクトの過程を撮影した映像作品を合わせて展示するというものでした。中央の木のお風呂の中に入っているのは200kgのラードです。この200kgのラードを人の体温で溶かすというのが、今回 N の展示の為にそれが置いてある場所で行ったプロジェクトです。リアルな人の体温をモチーフに表現したいという作家の想いから生まれたものです。プロジェクトではまず丸裸の作家がラードのお風呂の中に入ります。一人でラードを溶かしますがなかなか溶けません。暫くしてもう一人が入り、二人で互いにラードの中で格闘し溶かそうとします。そうして次第に作家と観客の感情のギャップが同じ目的に向かって一つになります。ラードを溶かすという目的に向かって心が一つになるのです。ラードのお風呂という空間の中でコミュニケーションが生まれます。そして溶かし終わった後には爽快な達成感が二人を包みます。
今後このプロジェクトは人種の違いや性別の違い、年齢の違いなどを超えて様々なコミュニケーションを生み出す可能性を秘めていると思います。
訪れて頂いた方達とプロジェクトの現場であるラードのお風呂を囲みながら改めてアートの可能性について笑いながらお話し出来たことが印象深い展覧会でした。

2つ目のプロジェクトについては次回お話しします!